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最高人民法院の選出した2006年度知財関連10大民事訴訟事件(1)(2007/10/10)

2007年4月25日、中国最高人民法院は、4月26日の「世界知的所有権の日」の宣伝活動にあわせ、2006年度の中国知財関連10大民事訴訟事件を選出して発表した。ここから、去年の知財侵害事件を概観することができる。これから数回に分けて、この10大事件を簡単に紹介していく。

1.深圳市朗科社ら3社(原告X1、X2、X3) v. 北京市華旗社ら3社(被告Y1、Y2、Y3) - 特許権侵害訴訟事件

X1とX2は、「データ処理システム用USBメモリ及びその装置」に関する特許を共同で出願し、2002年7月に特許権を授与された(本件特許)。X1とX2は、直ちにX3のために本件特許に排他的使用権を設定した。その後、X3は、Y3の販売しているY1、Y2の製品(本件商品)が、本件特許権を侵害するものであることを発見した。そこで、Xらは深圳市中級人民法院に対し、Yらを被告とする特許侵害訴訟を提起した。Xらの請求の内容は、@侵害行為の停止、A経済的損害90万人民元及び合理的調査費用など6万人民元の支払い、B専門誌への謝罪広告の掲載、C訴訟費用の負担である。

これに対し、Y1とY2は、@本件特許が公知技術に基づくものであること、AXらの使用権設定契約には手続上の問題があること、B本件商品は本件特許の技術的特徴を有していないことを挙げて反論した。また、Y3は、他人が販売した本件商品について領収書を発行しただけで、責任を負うべきものではないと反論した。

第一審は、Yらの行為は本件特許を侵害するものであり、特許侵害の責任を負うべきものと認定し、Yらに対して、侵害行為を直ちに停止し、連帯してXらに50万人民元の損害賠償を支払うべきことを命じた。なお、その他の請求については棄却した。

XらとYらはいずれも一審判決を不服とし、広東省高級人民法院に上訴したが、高級人民法院で和解により解決した。

2.日本ソニー社(原審原告X) v.広州市中宜社(原審被告Y) - 特許権侵害訴訟事件

Xは、2002年9月、中国で「電池及び電池の取付け用装置」に関し、特許権(本件特許権)を取得した。Xは、Yの販売商品QM71D電池(本件商品)が本件特許権を侵害するものと判断し、公証人の立会いのもとで、2004年4月、Yから本件商品を購入し、これを証拠として確保した。そして、Xは、Yを相手取り、広州市中級人民法院に訴訟を提起した。さらに、Xは、この訴訟継続中に、同人民法院に対して、証拠保全を請求した。当該証拠保全請求に応じ、同人民法院は、Yの工場に立入検査をして、本件商品及びその他の関連部品を押収し、さらに本件商品を製造する鋳型、商品ケースなどの写真を撮影した。

一審人民法院は、本件商品の技術特徴が本件特許権の請求項1の技術特徴と一致すると判断し、またYは本件商品を生産、販売したものと認定し、Yに対し、@本件商品製造・販売の中止、完成品・鋳型の廃棄、A10万人民元の損害賠償、B訴訟費用の負担を命じる判決をした。上記損害賠償金額は、Yが本件商品の生産・販売帳簿を提供しなかったこと、Xが侵害行為による損害額を立証しなかったこと、及び本件特許権の性質、Yの生産・販売規模などを総合的に斟酌した結果として認定されたものである。

一審判決を不服としたYは、本件商品の生産・販売の認定における一審人民法院の判断には誤り(主に、公証人の立会いのもとで作成した公正証書の効力に関する主張)があり、また、損害賠償金算定にも誤りがあるものとして上訴した。Yの提出した上訴理由に対し、Xは、一審の判断を支持する意見を表明した。

二審の広東省高級人民法院は、本件商品と本件特許権との関係については両当事者間に争いのないことから、本件商品は本件特許権を侵害するものと認定したうえで、Yはその主張を支持するに十分な証拠を提出できていない、また一審の斟酌した賠償額には問題がない、と判断してYの上訴を退け、一審判決を維持した。

3.星源社(原審原告X1)、上海統一星巴克社(原審原告X2) v. 上海星巴克社(原審被告Y1)、その支店(原審被告Y2) - 商標権侵害及び不正競争訴訟事件

世界的にコーヒーショップチェーンを展開しているX1は、「STARBUCKS」及び「星巴克」の文字、図形を商標(総称して、本件商標)として1996年−2003年の間に中国で登録し、コーヒーショップチェーン経営者X2にその使用を許諾した。Y1は、「星巴克」文字を商号(本件商号)として2000年上海に成立されたコーヒーショップで、その支店Y2とともに、本件商号のみならず、本件商標と同一または類似する標識(総称して、本件標識)を使用した。

Xらは、Yらの行為が著名商標の侵害、及び不正競争行為に当たるとして、上海市第一中級人民法院に提訴した。具体的な請求の内容は、@本件商号の使用停止、A新聞紙条への謝罪広告の掲載、B50万人民元の損害賠償、C本件訴訟のための合理的支出56万人民元の支払いである。

これに対し、Yらは、@X1には訴訟適格がない、AXらの提出した証拠は法律上問題がある、B本件商標は著名商標ではない、Cむしろ本件商号は先に取得されたものであるため、これを保護すべき、D本件商号を「目立つように使用」してはいない(この点は、中国法下において、商号が商標権を侵害するか否かの判断のための要件の一つである)と主張した。

一審人民法院は、@X1の訴訟適格、証拠の効力には問題がない、A知名度などからして、本件商標を著名商標と認めるべき、BYらの本件商号の登録、本件標識の使用行為は悪意によるものと認定して、Yらの行為が著名商標を侵害し、不正競争行為に当たると判断し、Yらに対して、@侵害行為の停止、A本件商号の変更、B連帯してXらに50万人民元の損害賠償、C新聞への謝罪広告の掲載、を命じた。

Yらは、一審判決を不服とし、本件商標を著名商標と認定したこと、Yらが悪意であると認定したこと、本件標識が本件商標に類似すると認定したこと、損害賠償額の算定のいずれも誤りであると主張して上訴したが、二審の上海市高級人民法院は、一審の判決を維持する判決をした。

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